2023年にモデルチェンジしたパナソニック製の電気圧力鍋。新製品NF-PC400と旧製品SR-MP300の特徴を、使用実感を元にまとめました。旧製品から新製品への買い替えや電気圧力鍋の購入を検討する際の参考にしていただけましたら幸いです。
パナソニック電気圧力鍋SR-MP300の特徴
2019年に発売された、パナソニック電気圧力鍋の旧製品(SR-MP300)は、普段使いにもってこい。構造がシンプルなので使いやすく、毎日の料理に便利です。
洗い物の数が少ない
旧製品は内蓋がないので、洗い物はふた、パッキン、ノズルのカバー、そして釜だけ。
洗い物の数が少ないので、調理後の後片付けがラクちんです。
ふたが開けやすい
旧製品はふたの上に取っ手が付いていて、片手で開けられるのもメリットのひとつ。
料理中は片手がふさがっていることが多いので便利です。
胴体もふたもコンパクト
旧製品のもうひとつのメリットは、胴体だけでなく、ふたもコンパクトなこと。ふたを開けた後に、ふたを置く場所を特別に確保しなくてもよいので助かります。
音が静か
旧製品は新製品と比べると、調理中の音が静か。蒸気口から蒸気が噴き出す瞬間に大きめの音はしますが、全体を通してみると、ほとんど音がしない印象です。
部品を買い替えられない可能性がある
このようにメリットの多い旧製品ですが、残念ながら、新製品発売後に生産終了になったようです(2024年5月時点)。旧製品はパッキンをはじめ、すべての部品の形状が新製品のものとは異なるため、旧製品本体の在庫を買えたとしても、今後、部品が買い替えられなくなる可能性があります。
特にパッキンは数年間愛用すると傷が付いて加圧ができなくなることがあり、買い替える必要が出てきます(写真左:使い古したパッキン、写真右:買い替えたパッキン)。
そのため、電気圧力鍋をできるだけ長く使いたい場合は、旧製品の購入は注意が必要です。
パナソニック電気圧力鍋NF-PC400の特徴
パナソニック製の電気圧力鍋の新製品(NF-PC400)は、モデルチェンジで圧力制御の精度が向上したようです。旧製品でも圧力調理の品質に不満は感じなかったのですが、新製品を実際に使ってみると、火加減の違いが実感できます。
食材がやわらかくなりやすい
新製品は、旧製品と比べると食材がやわらかくなりやすいです。特に、大根や豆を煮たときに分かります。大根は旧製品でもかなりおいしく煮られるけれど、新製品では、より味しみしみで、とろけるようにやわらかくなります。
また、黒豆ご飯を新製品で炊くと、黒豆は旧製品で炊くよりもさらにふっくらやわらか。煮えムラも出にくい印象です。
また、大きくて火の通りにくい白花豆は、旧製品より短時間でやわらかくなります。
また、新製品でじゃがいも(男爵)を圧力調理で煮たときの写真はこちら↓
旧製品と比べると、じゃがいもはやや煮崩れやすいけれど許容範囲。大きめに切れば、煮崩れやすさは解消できます。
胴体がコンパクト
新製品のもうひとつの特徴は、容量の割に胴体がコンパクトなこと。旧製品よりも調理容量は0.6L増えたけれど、胴体の大きさはそれほど変わりません。わが家では旧製品から買い替えた際、旧製品を置いていた場所に新製品をそのまま置くことができました。
清潔に使える
また、新製品では、旧製品にはなかった内蓋が採用されました。内蓋は軽くて洗いやすいです。内蓋が洗剤でしっかり洗えるので、料理の臭いが旧製品よりも付きにくいです。
さらに、内蓋がなかった旧製品では圧力ピンの内側が汚れやすく、降圧後に圧力ピンが下がりにくくなるというデメリットがありました(圧力が下がっているのに、圧力ピンが下がらないという現象)。一方で、内蓋のある新製品は圧力ピンの周りが汚れにくく、圧力ピンがきちんと下がってくれます。また、旧製品と比べると、圧力ピンが早めに下がる印象です。
ふたを閉めた煮込みモードで料理の幅が広がる
電気圧力鍋で圧力調理の次に欲しい機能は、煮汁を煮詰める煮込み機能。旧製品の煮込みモードは、ふたを開けた状態で使う仕様でしたが、新製品ではふたを閉めても使えます。
ふたを閉めて煮込めるので、圧力調理だとやわらかくなりすぎる食材は、煮込みモードを使って、ほどよいやわらかさにできるから、料理の幅が広がる感じ。
たとえば大豆は、圧力調理でしっとりやわらかくゆでることもできるし、ふたを閉めて煮込むと、かたゆでも可能。
きゅうりも歯ごたえを残して煮られます。
釜が浅く、釜底が広い
また新製品では、旧製品よりも釜(内なべ)の高さが浅くなり、底面積は広くなりました。下の写真は、新製品(左)と旧製品(右)のふたを開け、上から比べて見たところ。左の新製品の方が底面積が広めです。
そのため新製品では、釜底に並べ入れられる食材の量が増えました(写真下:じゃがいも小6個、さつまいも小2本が並べて置けます)。
また釜の高さが浅めなので、料理を混ぜ合わせるときなどに手を突っ込む感じにならず、使いやすいです。
洗い物の数が多い
このように、パナソニック製の電気圧力鍋は新製品もメリットがいっぱい。だけど、内蓋があるので、旧製品と比べると洗い物の数が増えちゃいました…。
使い慣れるまでは、後片付けが少し手間に感じそうです。
ふたが大きい
あと、もうひとつ気になったのは、ふたの大きさ。両端に大きめの取っ手が付いていて、旧製品と比べるとサイズがひと回り大きいです(写真左:新製品、写真右:旧製品)。
ふたが大きいと、調理後にふたの置き場所に困ることがあります。また、新製品のふたは両端の取っ手に両手を添えて開閉するタイプ。片手で開け閉めできる旧製品に使い慣れていると、使い初めはちょっと不便かもしれません。
ふたを開けて煮込みモードを使うと火力が弱い
新製品は、ふたを開けた状態で煮込みモードを使うと、加熱し過ぎないようにコントロールしてくれます。焦げ付きが抑えられて安全上は良いのですが、圧力調理後に煮汁を煮詰めたいときに、ふつふつしてくると火力が弱まるので、煮汁がなかなか煮詰まりません。
上の写真は圧力調理後に煮汁を煮詰めた、さばの煮付け。さばは味がしっかりしみるけれど、煮汁が煮詰まらないので、仕上がりの見た目はいまひとつ…。煮汁を煮詰めたいときにどういう方法を取ればベストなのか?この点については現在検証中です。
旧製品から新製品に買い替えた際の注意点
そんなこんなで、わが家では旧製品から新製品に買い替えた直後は使い勝手が変わって、ちょっと戸惑いました。買い替えた際に気を付けておきたい点がいくつかあったので、まとめておきますね。
調理後のふたは裏返さない
新製品は、ふたの真ん中のおもりを外したところに溝があります。この溝が露受けになっていて、調理中に出た露がたまります。
また、ふたの端には水切り穴が付いていて、ふたの内部にも露がたまる構造になっています。
そのため調理後にうっかりふたを裏返すと、熱い露が蒸気筒や水切り穴からこぼれ出て、けっこう危険(だし、熱湯びちゃびちゃで掃除も大変…)。調理後は、ふたは開けたら裏返さずに置いておき、少し冷ましてから蒸気筒とおもりを外して、露をふきんなどで吸い取るといい感じです。
また、水切り穴や内蓋の裏側からも熱い露がこぼれるので、ふたを裏返すときは流しの上でやるのがおすすめです。
おかゆは煮込みモードで炊く
もうひとつの注意点は、おかゆの炊き方。旧製品では圧力調理でおかゆを炊くけれど、新製品では基本的に、圧力調理でおかゆを炊くのはNGのようです。うっかり、おかゆを圧力調理で炊いてしまうと、蒸気筒から吹きこぼれて危険。(知らずに圧力調理で炊いてしまったときの様子はこちら…↓)
新製品の付属レシピによると、おかゆは基本的に煮込みモード使用です(離乳食などのごく少量の場合は圧力調理を使用してもいいみたい)。
新製品に買い替えたら、取扱説明書を読むのはもちろん、新製品と旧製品の付属レシピを見比べて、レシピの違いを頭に入れておくと、後々スムーズに使えておすすめです。(写真左:新製品の付属レシピ、写真右:旧製品の付属レシピ)
レシピが変わる料理がある
新製品は、実際に使ってみるとわかるのですが、旧製品と同じレシピで作ると煮汁が煮詰まりすぎたり、食材がやわらかくなりすぎる料理もあります。たとえば、皮ごと食べられるぶどうは、旧製品では圧力調理・1分できれいに煮られるけれど、新製品ではこんなありさま…↓
一方で、蒸し板を使った蒸し料理は、旧製品と同じレシピで大丈夫。たとえば、鶏ささみを蒸すと、ふっくらやわらか。
人参やじゃがいもなどの野菜も、旧製品と同じ加圧時間でおいしく蒸せます。
そのほかには、肉を圧力調理してから煮汁を煮詰める肉料理(たとえばカレー用肉を使った角煮など)も、旧製品と同じレシピで同様の仕上がりになりました。
だけど無水調理は、旧製品と同じレシピだと圧力が上がらなかったり、水分が飛びすぎたりと勝手がかなり違う印象。(理由は電気圧力鍋の容量や釜底の面積、火加減コントロールの仕様などが違うからかもしれません。)
そこで、このブログでは、これまで研究してきたパナソニック電気圧力鍋の旧製品(SR-MP300)のレシピを元に、新製品(NF-PC400)に対応するレシピを検証中。随時更新していきます。至らない点があるかもしれませんが、ささやかな参考にしていただけましたら幸いです。
👇圧力調理がおいしい!パナソニック 電気圧力鍋の新製品(NF-PC400)はこちら
👇使いやすさ抜群!パナソニック 電気圧力鍋の旧製品(SR-MP300)はこちら
【電気圧力鍋でヘルシーごはん】
このブログでは、パナソニック電気圧力鍋を使ったレシピを研究・公開しています。加圧時間早見表も随時更新中。ぜひぜひのぞいてみてください!